読みやすい名刺デザインにはUDフォントがおすすめ|可読性を高めるポイント解説

1. UDフォントとは?
UDフォントとは、できるだけ多くの人にとって読みやすく、判別しやすいことを目的に設計されたフォントのことです。ユニバーサルデザイン(Universal Design)※1の理念に基づき、「年齢」「視力の状態」「読み書きの得意・不得意」「使用環境」といったさまざまな条件に左右されにくい、誰にとっても読みやすい文字が追求されています。
UDフォントは、2006年に「製品に見やすいフォントを」という考えのもと、松下電器(Panasonic)とフォントメーカーのイワタが共同開発した「イワタUDフォント※2」が最初になります。イワタがUDフォントを2006年に発表したのを皮切りに、2009年にはモリサワやヒラギノ、タイプバンクがUDフォントを発表。さらに2010年にはモトヤでもUD対応フォントを発表し、読みやすさを重視した書体が注目されはじめました。
※1 ユニバーサルデザイン・・・ユニバーサルデザインとは、年齢・性別・能力の違いに関係なく、誰もが使いやすいように最初から工夫してつくられたデザインのことです。バリアフリーをさらに発展させた考え方で、日用品から公共施設まで幅広く採用されています。
※2 イワタUDフォント…「2009年度グッドデザイン・ライフスケープデザイン賞」(経済産業大臣賞) 受賞。2017年度「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」受賞。

2. UDフォントの特徴
UDフォントには、誰もが読みやすく情報を正しく受け取れるように工夫された、いくつかの明確な特徴があります。これらの特徴は、視力の状態や年齢に関係なく、多くの人にとって「読みやすい文字」を実現するために設計されています。
① 文字の形が明快で、似た文字を見分けやすい
UDフォントでは、ひらがな・漢字・英数字の形状が明確に区別できるようにデザインされています。
例えば、英数字では、
「1(イチ)」と「l(エル)」
「0(ゼロ)」と「O(オー)」
のような紛らわしい文字が見分けやすくなるよう工夫されており、ビジネスメールアドレスやURLといった細かな情報でも読み間違いが起こりにくい構造になっています。
② 適切な字間で、文字が詰まって見えにくい状況を防ぐ
UDフォントは、字間(文字同士の空き)が適切に設定されているため、文字が詰まって見えてしまう問題を防ぎます。一般的なフォントでは、小さくしたときに文字の間隔が狭く感じられ、理解しにくくなることがありました。しかしUDフォントでは、文章として並んだときにも視線がスムーズに流れるよう、最適な間隔が保たれています。
③ 小さいサイズでも高い可読性を維持する
名刺や案内ラベルのように小さな文字を使用する場面では、文字がつぶれたり、線が細すぎて読みにくくなることがあります。UDフォントは、線の太さや形状が小さく表示されることを前提に設計されているため、縮小しても文字の形が崩れにくく、可読性が高いのが大きな特徴です。
④ 太さや線のコントラストが安定し、どの環境でも読みやすい
UDフォントは、線の太さや濃淡が安定しているため、印刷・画面どちらでも読みやすい設計になっています。コントラスト(明暗の差)がしっかりしていることで、
・ 印刷物でも視認性が高い
・ 光が反射するデジタルサイネージでも読みやすい
・ 画面解像度が低い場合でも文字がつぶれにくい
など、用途を選ばず安定した読みやすさを発揮します。
3. 名刺にUDフォントを使うメリット
名刺には名前や所属、電話番号、メールアドレス、URL、SNSアカウントなど多くの情報を掲載するため、どうしても文字が小さくなりがちです。特に英数字が並ぶメールアドレスやURLは小さくすると判別しづらく、読み間違いが発生しやすくなります。UDフォントは、こうした似た文字を見分けやすく設計されているため、小さな文字でも読み間違いを防ぎ、情報を正確に伝えられるのが大きな特徴です。
また、名刺を受け取る相手は必ずしも視力が良いとは限らず、一般のお客様や幅広い年代の方が対象となる名刺では「読みやすさ」への配慮がより重要になります。UDフォントを採用することで、相手にストレスを与えず、読み間違いによる機会損失も防止できます。さらに、相手を思いやる姿勢や企業としての丁寧さが伝わりやすく、コミュニケーションの質を高める効果も期待できます。
そして何より大切なのは、名刺の役割である「情報を正しく届けること」。情報量が多い名刺でも、UDフォントなら視認性を確保しながら必要な情報をしっかり伝えることができます。読みやすさを犠牲にせず、ビジネスでの信頼性を高める名刺づくりを実現できる——それがUDフォントを採用する最大のメリットです。

4. まとめ
UDフォントを採用した名刺は、単に文字が見やすくなるだけではなく、名刺全体に落ち着いた雰囲気や、丁寧で誠実な企業姿勢を感じさせる効果があります。視覚的な配慮を取り入れた情報デザインは、誰にとってもやさしい印象を与えるため、現代の多様化したビジネス環境において信頼性向上にもつながります。
名刺は、相手と最初に交わす大切なコミュニケーションツールです。その小さな一枚に「どんな企業なのか」「どんな姿勢で仕事に向き合っているのか」といった思いが表れます。だからこそ、見た目のデザイン性だけでなく、読みやすさや判別しやすさといった“伝わるための工夫”が欠かせません。
NAMEROOM(ネイムルーム)では、こうしたUDフォントを使った名刺制作にも柔軟に対応しています。読みやすさに優れたフォントの特性を生かしつつ、企業のブランドイメージに合ったレイアウトやデザインをご提案できるのも強みです。「より伝わる名刺」にしたいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※2025年7月より、クラウド名刺発注管理サービス「corezo(コレッソ)」は「NAMEROOM(ネイムルーム)」へ名称を変更いたしました。
更新日:2026年1月21日
ビジネスシーンにおいて名刺は、第一印象を左右する重要なコミュニケーションツールです。しかし、近年は名刺に記載する情報量が増え、「文字が小さくて読みづらい」「メールアドレスが判別しにくい」といった声も多く聞かれます。こうした課題に対して注目されているのが UD(ユニバーサルデザイン)フォント(以下 UDフォント)です。本記事では、UDフォントとは何か、そして名刺に採用するメリットを詳しく解説します。